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ピロリ菌とは
ピロリ菌は、正式にはHelicobacter pylori(ヘリコバクターピロリ)といいます。胃の表層粘膜に住み着く細菌で、感染すると胃がんや胃潰瘍・十二指腸潰瘍のリスクが上昇してしまいます。実際に、胃がん患者様の約90%以上がピロリ菌が原因とされています。
主に経口で感染し、衛生環境の悪い地域では感染者数が多いのですが、先進国において日本は例外的に感染率が高くなっています。
ピロリ菌に感染すると、胃炎を起こします。他にも、胃がん、萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、胃過形成性ポリープなどの病気の原因になることが分かっています。特に萎縮性胃炎は胃がんの原因にもなりますので、除菌治療を受けて、上記の病気の予防にも繋がります。
- 胃炎、十二指腸炎
- 機能性胃腸症胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 胃がん
- 胃過形成性ポリープ
- 胃MALTリンパ腫
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 慢性蕁麻疹
感染経路Infection route
はっきりとした感染経路は明らかになっておりません。
親がピロリ菌に感染していると、口移しが原因でお子様へ感染してしまうこともありますので、除菌治療を受けることが感染予防に繋がります。
日本では若年層の感染者数は減少傾向にありますが、70歳以上の方では感染率は高いと言われています。
検査・診断examination diagnosis
内視鏡検査と同時に行う検査
- 01迅速ウレアーゼ試験胃の粘膜組織を採取する検査です。「ウレアーゼ」という酵素が生成するアンモニアを検出し、ピロリ菌の感染の有無を調べます。検査後1時間程度で結果がわかります。
- 02鏡検法胃の粘膜組織を採取し、染色して顕微鏡で観察します。直接ピロリ菌の感染有無を調べることができます。
内視鏡検査と使用しない検査
- 01抗体測定採血や採尿を行い、ピロリ菌の抗体の有無を調べる検査です。
- 02便中抗原測定便を採取し、便中のピロリ菌の抗原の有無を調べる検査です。
- 02尿素呼気試験尿素呼気試験
治療treatment
- Step.1一次除菌
- 酸分泌抑制剤1種類と抗生物質2種類を組み合わせて、1日2回、1週間服用します。
- Step.21回目の判定
- 正確に判断するために、薬服用から4週間以上経過してから判定検査を行います。
一次除菌の成功率は70~80%と言われております。
- Step.3二次除菌
- 一次除菌で除菌が成功しなかった場合は2回目の除菌を行います。
二次除菌では抗生物質を1種類変更し、7日間服用します。
- Step.4二次除菌の判定
- 一時除菌同様に、4週間以上経過してから判定検査を行います。
一次除菌と二次除菌を合わせると、約99%の方が除菌に成功すると言われています。
- Step.5三次除菌
- 二次除菌が成功しなかった場合、三次除菌を行うこともありますが、当院では行っておりません。
ご希望の方は自費治療になりますが、三次除菌を行っている施設でご相談下さい。
除菌治療薬の副作用
ピロリ菌の除菌治療では、下記のような副作用が起こることがあります。
- 下痢
- 軟便
- 肝機能障害
- 味覚異常
- 発疹やかゆみ
- 発熱
ほとんどの症状は、服薬終了後に自然に解消します。ただし、症状が強かったり、治療後も症状が続く場合には、ご相談ください。
また、アレルギー症状が出た場合には、服薬を中止してください。