淋菌

淋病

淋病は「淋菌」という菌が原因となって発症する感染症です。クラミジアの次に感染している人が多い性感染症です。
淋菌は乾燥や日の光に弱く、長くは生きられず比較的短時間で死滅しますが、口腔や性器などの粘膜では生存可能で、性交渉で感染します。1回の性交渉での感染率は20~30%となっています。何回でも感染します。
男性では主に尿道、女性では主に子宮頸管、膣に感染します。オーラルセックス、アナルセックスで咽頭や肛門に感染することもありますし、淋菌が付着した手で眼を触ることにより眼に感染することもあります。淋菌感染症には性感染症と母子感染の2種類があります。男性は性交渉などで感染した後2~7日ほどで症状が出始めます。

症状

男性の症状

  • 排尿時の強い痛み
  • 尿道から黄色や白色の膿がでる
  • 尿道の出口が赤く腫れる

男性は早い段階で診断、治療を行うことができます。感染した人の95%の人は上記の症状がでますが5%の人には自覚症状がありません。感染に気付かず治療を受けないでいると、感染がさらに広がり、前立腺炎をおこしたり精巣上体炎を引き起こし男性不妊症の原因となることがあります。またパートナーへ感染が波及してしまいます。前立腺炎をおこすと発熱や排尿障害、精巣上体炎をおこすと陰嚢が腫れたり痛みがでます。

女性の症状

  • おりものの増加
  • 膿性のおりものがでる
  • 不正出血
  • 排尿痛
  • 下腹部痛や性交痛

女性では性交渉などで感染した後2週間ほどで症状が出始めます。女性では70~80%の人は自覚症状がなく、自分が感染していることに気づいていません。20~30%の人に症状がでます。
女性は無症状の場合が多いため、気づかないうちにパートナーへ感染したり、卵管や卵巣、骨盤へも炎症が波及します。卵管炎により卵管狭窄をおこして子宮外妊娠や不妊症をおこしたり、卵巣炎をおこして排卵障害を招いたり、骨盤内感染により骨盤内癒着をおこすなどして不妊症をおこす可能性があります。

感染者数の報告は男性の方が多いですが、女性の方がかかりにくいというわけではありません。淋菌やクラミジアは淋菌に感染していても顕著な症状がでません。
実際には淋菌症に感染していたとしても女性は全く気付かないケースが多いため、報告数値上は感染者が少なくなっているのです。

検査

検査は抗原検査を行います(今感染しているかを調べる検査です)

男性 尿検査または膿
女性 膣分泌物(ぬぐい液)
のど うがい液
肛門 肛門分泌液(肛門から細い綿棒を少し入れて検査するだけです)

男女ともに感染の機会からすぐに検査を受けられます。
女性は生理中は検査ができませんので、生理が終わってから受診してください。

検査を受ける方へ

  • 妊娠中、生理中の女性の性器の検査(膣ぬぐい検査)は行えません。妊娠中の方はかかりつけの産婦人科でご相談ください。
    生理中の方は生理が終了してからご受診下さい。妊娠中、生理中でも咽頭検査や採血で行う検査は可能です。
  • 抗生剤内服中の方は検査の精度が下がる可能性があります。
    内服終了後2週間以上経過してからの検査を推奨しております。
  • 男性の性器クラミジア即日検査は行っておりません(男性の性器クラミジア検査は通常検査のみとなります)。

治療

抗生剤の点滴(30分程) 

通常は点滴1回で終了しますが、症状などにより数回点滴投与を行う場合もあります。
クラミジアなど他の菌にも感染している混合感染の可能性もあるため、抗生剤の内服薬を併用することがあります。
抗生物質に耐性を持った(抗生剤が効かない)淋菌が増加しており、問題になっています。
淋菌感染症の治療はパートナーも同時に行うことが重要です。パートナーと同時に治療を行わないとお互いに移しあうという危険性があります。

予防

予防のためには、性行為時にコンドームを正しく使用することと(オーラルセックスでも必要です)不特定多数の人との性行為をさけることがが大切です。
治療後には治ったかどうかの検査を受けることが大切です。適切な治療を受けたとしても耐性菌の影響などで完治していない可能性もあります。
治療効果の判定は、抗生剤の投与終了後、2週間~4週間してから検査を行います。治療終了後の早い時期に検査を受けると、菌の死骸の影響で、すでに治っているのに結果が陽性とでてしまうことがあるためです。
治療後に症状が消失しない場合には、抗生剤の耐性により治癒しなかった、再感染、その他の性感染症の合併している、などの可能性が考えられますので再検査が必要です。
淋菌感染症はHIVに感染しやすくなりますのでHIV検査も同時におすすめしています

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